今月1日以降、奄美群島の広い範囲の海岸で油の漂着が確認されている件について9日、市町村による作業が各地で始まった。
県の回収マニュアル完成を受け、開始した市町村が多く、今後も各地で行われる予定となっている。
9日、奄美市の朝仁海岸で市職員約50人による作業が行われた
奄美市名瀬の朝仁海岸には同日、市職員らが約50人集結し、試験的な作業を実施した。
市が用意した火ばさみや金属製の熊手を利用し、約3時間で計1950㌔の漂着油、油が付着した漂着物を回収した。
同市危機管理室によると、作業は油の漂着が落ち着いたことと県のマニュアル完成を受け実施。
この日の作業を通して効率の良い方法などを再検討し、13日以降に作業計画を練る予定。
計画が立ち次第、作業実施地域の住民へ協力を呼び掛けることも考えているという。
朝山毅市長は「漂着後、関係機関との情報共有、協議を重ねてきている。
美しい海を守るために引き続き、国、県、関係機関などとともに連携し、除去作業などの対策に取り組んでいく」とコメントした。
県による油回収用ドラム缶の配布も順次進んでおり、県は国や市町村と連携し、回収作業を取り組む方針だ。
環境省、専門家派遣で調査
また、環境省は専門家などを派遣し、水質や大気への影響を調査している。同省担当者は、「今回は漂着が多かったため、調査に踏み切った。調査結果を分析し、環境基準や他地域の数値と比較していく」と話した。
海保 対策本部設置
第十管区海上保安本部は8日、漂着油に対応すべく「十管区タンカー『SANCHI』号沈没及び奄美群島等における漂着油対応に関する対策本部」を設置。
鹿児島海上保安部と奄美海上保安部には現地対策本部を設置し、沿岸部の状況調査と関係機関からの情報収集を実施していく。
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