サシバ来島!

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 奄美にもサシバがお目見えしました。

サシバは、東北地方以南に夏鳥として渡来する中型の猛禽類です。

南西諸島からフィリピンなどで越冬し、おもにトノサマガエルやニホンアカガエルなどの両生類、シマヘビやニホンカナヘビなどの爬虫類、ヤママユガの幼虫やトノサマバッタなどの昆虫類、小型哺乳類などを食物としています。

トノサマガエル
トノサマガエル

 東日本におけるサシバの生息地の多くは谷津田や谷戸と呼ばれる里山環境です。サシバの行動圏は約100~200haで、水田と森林の接する長さが長い環境を好むことが知られています。例えば千葉県佐倉市の谷津田環境は、谷津田と斜面林の境界を含むように細長い形状をしています。ひとつの谷津田の面積が大きいので、そこだけで生息が可能なようです。
 育雛中期(6月中旬)から巣立期(7月上旬)を経て秋の渡りが始まるまで、採食地が谷津田から森林に移行し、バッタ類やガの幼虫等の昆虫類の採食割合が増加します。そのため、サシバの保全には、人工林の間伐等生物多様性の高い森にすることが大切です。

西日本の生息地
西日本の生息地

 一方、西日本における近年の研究では、東日本とは生態や環境利用などが異なるサシバが多く生息することがわかってきています。また、生息地の周辺に水田がほとんどない山地でもサシバの営巣が確認されており、里山環境で繁殖する個体群とは生態や環境利用等が異なる部分も多いことが分かりつつあります。

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