ルリカケスの悲劇

平川動物公園のルリカケス死ぬ

今年3月、奄美市で保護され、6月から鹿児島市の平川動物公園で飼育されていた
国天然記念物・ルリカケス1羽が死んだ。
頭から首にかけてヘビの唾液(だえき)のようなものが付いており、
ヘビに襲われたのが原因とみている。
このルリカケスは3月、奄美市の産業廃棄物のリサイクル施設に運び込まれた管の中で、ほかの幼鳥2羽と一緒に見つかった。
その後、2羽は4月18日に上野動物園(東京都)、1羽は6月12日に平川動物公園に移送された。
ルリカケスの飼育実績もある同園では隔離舎で飼育し、外敵から守るため目の細かい網を特別に張るなど対策をとっていたが、21日に死んでいるのを職員が見つけた。
同園の石堂昭憲・飼育係長は「野生にかえすために預かっていたのに残念」と話している。(2009年7月24日 読売新聞)

ルリカケス09


『わずか1ヶ月あまりで悲劇はが起きた。
それも生物を飼育するはずの動物園で。
管理を信頼しているから預けたのに、それを自らの手で放棄するかのような前代未聞の失態と言っていい。
国の天然記念物で、県の鳥でもあるルリカケスが鹿児島市の平川動物園で死亡した。
県が「傷病野生鳥獣保護事業」を適用したにもかかわらず、結局予算を伴った取り組みは活かされなかった。
死因はヘビによる食害のようだが、侵入を許す施設構造だったのだろうか。
このルリカケスは、奄美市の廃品回収業者が回収した貯蔵タンクのダクトから発見した幼鳥3羽のうちの1羽だった。
奄美市の奄美動物病院が保護した後、龍郷町環境教育推進センターに移された。
龍郷町は一時飼育施設を作る費用を捻出し、場所を提供。
関係者が協力して昆虫などに餌を与えたことで、自力で捕まえて食べるまでに成長した。
まさに親代わりとして大切に育てた。
動物園で再会し、成鳥になった姿を見ることを楽しみにしてきただけに、奄美の関係者の落胆は非常に大きい。
今、落胆は怒りに変わっている。
県や動物園から説明が全くないというから当然であろう。
生物を飼えない所に依存するより、生息地である奄美に専用のリハビリ施設を設ける方が抜本策になる。』

<奄美春秋>2009年7月28日

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